自宅を新築したり、リフォームを計画したりする際、設備の選択は重要なポイントとなる。しかし、特定の設備を導入すると固定資産税が上がる可能性があることはあまり知られていない。
固定資産税は建物の評価額によって決まるため、高級設備や特殊な設備を取り入れることで評価額が上がり、結果として税負担が増えることがある。本記事では、固定資産税が上がりやすい設備と評価の仕組みについて詳しく解説し、税負担を抑えるためのポイントも紹介する。
固定資産税とは?
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有している人が毎年支払う税金であり、各自治体によって課税される。
税額は、以下の計算式で求められる。
固定資産税額 = 固定資産評価額 × 1.4%(標準税率)
この評価額は建物の構造や設備によって変わるため、設備の選択によって税額に大きな影響を与えることがある。
固定資産税が上がりやすい設備
固定資産税の評価基準では、建物の価値を高める設備がある場合、評価点数が加算される。そのため、以下のような設備を導入すると固定資産税が上がる可能性がある。
1. ホームエレベーター
住宅にエレベーターを設置すると、固定資産評価額が上昇する。
1基につき約25,000円前後の税負担増が見込まれる。
2. システムキッチン
一般的な流し台と比較して、システムキッチンは評価が高くなる。
特に大理石カウンターやビルトイン家電が付属した高級タイプは評価額を大きく押し上げる。
3. 床暖房
快適性を向上させる床暖房は、固定資産税の評価対象となる。
特に電気式床暖房は温水式の約2倍の評価額となることが多いため注意が必要。
4. 開閉式の天窓(トップライト)
開閉式の**天窓(トップライト)**は、建物の価値を高める要因として評価される。
採光やデザイン性を重視して設置する人が多いが、固定資産評価額を引き上げる要素になるため慎重に考えるべきポイント。
5. ビルトインガレージ
ビルトインガレージは固定資産税の課税対象となるが、一般的な駐車場ほどの影響はない。
ただし、ガレージ部分の構造や面積によっては税額が増加する可能性があるため、自治体の評価基準を事前に確認することが重要。
固定資産税の評価の仕組み
1. 評価は「点数制」で決まる
固定資産税の評価は、総務大臣が定めた「固定資産評価基準」に基づいて決定される。
- グレードの高い設備ほど評価点数が高くなる
- 評価点数が増えると固定資産評価額も上がる
- 評価額が高くなると、結果的に固定資産税も増える
この仕組みにより、設備の選択が固定資産税に直接影響を与えることになる。
2. 地域によって評価基準が異なる
固定資産税の評価は自治体ごとに若干異なるため、同じ設備でも地域によって税額が変わることがある。
正確な情報を得るためには、自治体の税務課や専門家に相談するのがおすすめ。
固定資産税を抑えるためのポイント
固定資産税の負担を少しでも抑えるために、以下のポイントを意識するとよい。
1. 高級設備の導入は慎重に検討する
床暖房やシステムキッチンなどの設備は、利便性が向上する一方で固定資産税の増加要因となる。
導入前に本当に必要な設備かどうかを見極めることが重要。
2. 固定資産税の対象外となる設備を活用する
固定資産税は「建物に固定された設備」に対して課税されるため、家具や家電製品は課税対象外となる。
例えば、
- 壁掛けエアコン → 据え置き型エアコンに変更
- ビルトイン食洗機 → 据え置き型の食洗機を導入
このように、後付けできる設備を選択することで、固定資産税の負担を軽減できる可能性がある。
3. 専門家に相談する
固定資産税の仕組みは複雑であり、評価基準も自治体によって異なるため、税理士や不動産の専門家に相談するのも有効な手段。
特に新築やリフォームを検討している場合は、事前に税額への影響を確認することで予想外の負担を避けることができる。
まとめ
- 固定資産税は建物の評価額によって決まる
- エレベーター、床暖房、システムキッチンなどの設備は税額を押し上げる要因となる
- 家具や家電は固定資産税の対象外なので、賢く活用することで節税が可能
- 高級設備の導入は慎重に検討し、必要に応じて専門家に相談するのがベスト
固定資産税は一度決まると毎年かかる税金のため、設備選びの段階からしっかり計画を立てることが重要。
事前に情報を把握し、納得のいく住まい作りを目指そう。